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岩月 輝希; 水野 崇; 萩原 大樹; 新宮 信也; 大森 一秋; 福田 朱里
no journal, ,
大規模地下施設の建設・操業時の周辺地下水の水質変化(施設建設影響)について、多変量解析手法による評価を試みた。施設建設中に得られた地下水の水質データ(約1,100試料のNa, K, Ca, Mg, SO, F, Cl, Si, 無機炭素濃度)を対象として主成分分析を行った結果、地下水水質の経年変化データは堆積岩浅部,花崗岩浅部,花崗岩深部地下水の三つの地下水の主成分得点と相関性を持っており、これらの端成分地下水の混合状態の変化に起因すると考えられた。また、立坑から離れるにしたがって花崗岩浅部地下水の寄与率が増加しており、排水に伴う動水勾配が相対的に大きな立坑直近においては、深部からの地下水引き込みがより大きいものの、施設の周囲では地下水位の低下とともに花崗岩浅部の地下水が徐々に深部に移動していると推察された。
桐野 祐介*; 中嶋 悟*; 横山 正*; 笹本 広
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分において、地下坑道の掘削・施工時における湧水抑制対策にセメント系グラウト材を用いた場合、高アルカリ性溶液が発生し、岩盤が変質することが懸念されている。本研究では、変質による岩石組織の変化を解明するため、花崗岩ブロック(10105mm)のアルカリ変質試験を行った。この試験において、花崗岩ブロック表面を亀裂表面、ブロック内部をマトリクスとみなし、変質生成物の分布を加熱変質試験及び反応拡散シミュレーションを用いて調べた。
東郷 洋子*; 鈴木 庸平*; 福田 朱里; 水野 崇; 伊藤 一誠*
no journal, ,
地下水中に存在するコロイドは、放射性廃棄物の地層処分において、放射性核種の移行挙動に影響を及ぼす可能性がある。そのため、室内実験やフィールド調査,モデル解析等により、その定量的影響評価が検討されている。本研究では、コロイドを分子サイズごとに分離可能なサイズ排除クロマトグラフィーを誘導結合プラズマ質量分析装置に接続し(SEC-ICP-MS)、有機物と微量元素の同時検出を行うことで、地下水コロイドと核種アナログ元素の相互作用の検討を行った。地下水試料は日本原子力研究開発機構瑞浪超深地層研究所用地内に掘削されたボーリング孔(MSB-2号孔)の7区間(深度19-175m)から採取した。アルミニウムバッグに嫌気条件で採取した地下水試料を用いて紫外検出(280nm)及び蛍光検出(励起波長320nm,蛍光波長430nm)を行った。高速液体クロマトグラフィーをICP-MSに接続し、同時にAl, Fe, Co, Y, I, La, Ce, Lu, Uの測定を行った。その結果、コロイド態の割合は明らかではないが、浅層の堆積岩中ではコロイド態のY, La, Ceが存在していることが明らかとなった。また、Iはいずれの深度でもおもに無機態として存在していた。
大貫 敏彦; 江幡 大蔵*; 坂本 文徳; 香西 直文; 山崎 信哉; 椎名 和弘; 菅野 崇
no journal, ,
担子菌へのCsの濃集について、電子顕微鏡による分析により調べた。その結果、菌糸内にCsが取り込まれていることがわかった。さらに、元素分析からCsとKとの濃度比から、LentinulaへのCsの濃集がKよりも大きいことを明らかにした。この結果は、LentinulaがCsの濃集性に優れていることを示唆している。
椎名 和弘; 菅野 崇; 坂本 文徳; 香西 直文; 山崎 信哉; 大貫 敏彦
no journal, ,
糸状菌を用いた除染を目的として、糸状菌の一種である担子菌類を用いてリター層への植菌と生育、さらには放射性Csの濃集について予備的検討を行った。バット内での生育試験では、菌糸の生育が目視により確認できた。菌を1か月程度生育した結果、落ち葉層1g当りのカウント数が約2倍高かった。一方、屋外試験では、現在生育試験を継続中である。これまでの結果から、植菌した種菌からは菌糸が落ち葉中に伸びていることを確認した。
菅野 崇; 香西 直文; 坂本 文徳; 山崎 信哉; 椎名 和弘; 大貫 敏彦
no journal, ,
放射性Csの環境中での移行挙動を明らかにするためにオートラジオグラフィによる放射能測定と植物に付着した放射性Csの化学状態を検討した。この実験から杉の枝や雄しべの成長時期の違いにより、放射性Cs濃度並びに化学状態が異なるという結果が得られた。